特集

より有意義な学生生活のために
アドバイザー・グループ
参加者募集!

学生と教員との交流を通して、大学生活をさらに豊かに

「アドバイザー・グループ(通称アド・グル)」とは、学生の個性や人間性を育むことを目的とした本学独自の取り組みです。今回はアド・グルを担当する教員と参加学生が、それぞれの視点から、アド・グル独自の魅力を紹介します。

「アドバイザー・グループ」とは?

アド・グルは、教員と学生が交流する本学独自の制度で、所属しているキャンパス、学部・学科、学年にとらわれることなく、学生が各自の興味や関心に応じてアドバイザー(教員)を選び、アド・グルを構成して活動しています。

大学開校当初、宣教師エッケル先生の努力によって宗教活動の一環として実施し、やがて本学ならではの活動として制度化され、多くの教員がアドバイザーを積極的に引き受けるようになって、今日に至ります。

アド・グルには毎年多くの学生が参加しており、2023年度は旅行や音楽、スポーツを楽しむアド・グル、勉強会や英会話、ボランティア活動に取り組むアド・グル、本づくり(手製本)に挑戦するアド・グルなど、多種多様な内容で教員と学生たちが自主的に企画し、活動をしています。

本学は、学生一人一人が学問、研究の面だけでなく、人間形成の面でも大きく成長し、豊かな個性を育んでほしいと願っています。本学学生で興味のある方は、前期は4月、後期は9月に登録できますので、ぜひご参加ください。

アド・グルに関する問い合わせは、各キャンパスの学生生活課窓口へ

2023年度 アドバイザー・グループ 紹介

ここでは、アドバイザー・グループの一例を紹介しています。詳しくは各キャンパスの学生生活課で配布している『アド・グル登録ガイド』を確認してください。大学公式学生生活情報アプリ「らいふいんあおやま」のメニュー「本棚」からも閲覧できます。

本づくり(手製本)
【活動テーマ】自分の手で本をつくる(製本・活版印刷・デザイン・編集)

庭井先生の指導の下、製本にチャレンジした学生たち。ハードカバーのオリジナルノートが完成

■ アドバイザー・グループ 担当教員インタビュー

「趣味を楽しむ大人」として学生を応援したい
教育人間科学部 教育学科 准教授
庭井 史絵

【“手製本アド・グル”を立ちあげるまで】

当アド・グルのテーマは「手製本」です。刷毛や折へらといった昔ながらの道具を使って、自分の手で一から本を作ります。製本以外にも、活版印刷・デザイン・編集などの作業も体験し、本をつくるさまざまなプロセスに親しみます。

私が製本に興味を持ったのは、中学校の図書館で勤務していたときのことでした。本の修理をきっかけに、造本や製本の面白さを知ったのです。それから製本体験会などを開催し、生徒たちも喜んでいたので、本学でも学生と一緒に製本できたら楽しいだろうと考えました。そのためにはまず自分がしっかり製本技術を学ぼうと、長野県伊那市にある美篶堂(みすずどう)という製本所が主催する「本づくり学校」で全10回の基礎コースを修了しました。

時を同じくして、歴史ある「横山アド・グル」を担当する横山徹先生からアド・グルの楽しさを教えていただきました。陶芸をテーマとする横山アド・グルでは、学生たちがいつもイキイキと活動しているというお話を聞き、私も製本をテーマにしたアド・グルを立ちあげることを決めました。

【担当教員から見たアド・グルの特長】

これは中学校で勤務していたときの経験なのですが、趣味の世界を持っている教員に、生徒は人間味を感じるようです。授業以外の場を一緒につくることで、教員と生徒には、人間同士の絆や信頼関係が生まれているようでした。私も、アド・グルでは学生たちに「趣味を楽しむ大人」の背中を見せたいと思っています。仕事以外の何かに没頭している大人を目にすることで、彼らが社会に出たあと、自分の趣味を通じて人生の幅を広げられるかもしれません。アド・グルとは、そうしたメッセージを伝えられる場だと思います。

アド・グルには、授業のような成績評価がないのもいいですね。また学部や学年を超えて、趣味でつながる仲間と出会えることもメリットだと思います。

【当アド・グルの活動内容】

当アド・グルの登録者数は現在35人です。「本」をテーマに集まった学生たちですが、その切り口はさまざまです。「紙の本」そのものが好きで、本の世界について仲間と語り合いたいという学生もいれば、将来、出版業界を目指しているという学生もいます。私自身「本づくり学校」でさまざまな「本と関わる」職業の方と出会い、興味深いお話を聞くことができました。当アド・グルでも、製本工房への合宿、各種見学会、専門家との懇親会などを開催するようにして、学生たちにさまざまな出会いを経験してもらいたいと思います。

普段は製本ワークショップを中心に活動しています。初めは既製の製本キットを使うので、初心者であっても、1回の活動で1冊の本を完成させることができます。「角背」「丸背」「和綴じ本」といったバリエーションもありますし、表紙や本文用紙をカスタマイズする楽しみもあります。最終的には、自分で原稿も用意して、世界に1冊の自分だけの本を作ることができたら楽しいですね。

始まったばかりの当アド・グルですが、回を重ねるうちに、学生同士で教え合い、アイデアを出し合うような雰囲気が生まれてくることでしょう。担当教員としては、活発な場をつくることに力を入れ、参加者に「本」を媒介とした豊かな世界に出会ってほしいと思っています。



■ アドバイザー・グループ 参加学生インタビュー

陶芸や製本。アド・グル独自の空気感で、学生生活がより楽しく
文学部 日本文学科 4年
松井 啓一郎

私にとって、アド・グルの最大の魅力とは「先生と学生が一緒に活動を楽しめる」という点です。私はそれまで「先生」という存在に対してやや近寄りがたいイメージを持っていました。ですが趣味を同じくするアド・グルの場では、参加者同士に独特の連帯感が生まれ、他では味わえないような楽しい雰囲気のあるコミュニティとなっているように思います。

また、学年や学部を超えたコミュニケーションが生まれるのもアド・グルの魅力かと思います。私は、横山徹先生の陶芸アド・グルに参加したことでその感覚を強く持ちました。30年以上の歴史を持つ横山アド・グルでは、先生を慕うOBやOGの方々と交流する機会も多く、1期生と30期生が楽しく食事することもありました。

横山アド・グルは図工室を管理していたので、アド・グル参加者は授業の空きコマなどに図工室を訪れ、陶芸を楽しみつつ勉強もできるような時間がありました。勉強と趣味の二つの世界を自由に行き来したことで、自分の学生生活は豊かなものになったと思います。

趣味の場という点で、アド・グルはクラブやサークルと似ている部分もあります。ただしクラブやサークルは学生中心で活動する楽しさがあるのに対し、アド・グルでは先生を中心としたコミュニティが作られ、時には横山アド・グルのように世代を超えて交流する楽しさもあるように思います。

横山先生のご退官に伴い横山アド・グルは終了となったため、次は「製本」をテーマとする庭井史絵先生のアド・グルに入りました。庭井アド・グルでは、手作業で一から本を作ります。私は「紙の本」が好きなのですが、いつも書店で手に取っているようなハードカバーの本を、自分の手で作り上げたときには感慨深いものがありました。先生にも丁寧に指導していただき、とても楽しく本づくりを進めることができました。

私は日本文学科に在籍しているのですが、ちょうど今、授業でも製本の手法や用紙について学んでいるところです。専門の学びとアド・グルの活動をリンクさせ、さらに理解を深めていくのが楽しみです。

横山アド・グルでは、陶芸の活動以外にも企画を募り、みんなで花火大会やテーマパークに出掛けていました。発足したばかりの庭井アド・グルでは、これからみんなで独自のコミュニティを作り上げていく楽しさもあると思います。本に興味を持つ学生がいたら、一緒に活動できればうれしいです。

本の修理をきっかけに、製本の面白さを知った庭井先生
先生と一緒に活動を楽しめることがアド・グルの魅力と語る松井さん

アーバンファーミング、コミュニティファーム
【活動テーマ】渋谷のど真ん中で野菜を育てよう!

恵比寿ガーデンプレイス内で開催されたファーミングイベントに、佐藤アド・グルも参加

■ アドバイザー・グループ 担当教員インタビュー

野菜作りを手軽に楽しみながら、自然環境を考える
シビックエンゲージメントセンター助手・コーディネーター
佐藤 亜希

当アド・グルでは「渋谷のど真ん中で野菜を育てよう!」をテーマに、アーバンファーミング(都会での野菜作り)を楽しんでいます。

普段は青山キャンパスで活動しています。構内に設けた小さな菜園に、ルッコラやマイクロミニトマト、ラディッシュなどを植え、昼休みなどに集まっては水やりや草取りなどを行っています。この他、恵比寿にある外部のファーム(NPO法人アーバンファーマーズクラブと株式会社サッポロ不動産開発の共同プロジェクト)を見学したり、農作業イベントなどにも参加したりしています。

今年度前期の参加メンバーは14人。大学1年次から大学院生まで、顔ぶれはさまざまです。ほとんどのメンバーが農作業初心者ですが、中には既に豊富な知識を持っているメンバーもおり、コミュニケーションの輪が日々広がっています。SNSも活用し、野菜の生育状況などを情報共有しています。

私は本学のシビックエンゲージメントセンターに勤務しており、環境保全に関するボランティア活動にも関わっています。この取り組みをきっかけに、恵比寿エリアで菜園を設けているアーバンファーマーズクラブと出会い、「ぜひ自分も、都市のグリーン化の観点から野菜作りをしてみたい」と思いました。早速、1年間全12回コースのファーミング講座に申し込み、自らが学んだのち、「学生にも気軽に野菜作りを楽しんでもらいたい」と考え、アド・グルを立ちあげました。将来的には、地域コミュニティとしてこうした活動の輪を広げていければと考えています。

当アド・グルでは、農薬や化学肥料を使わない自然な農法を心掛けています。例えば、キャンパス内の菜園で使っている肥料は、すべて私のキッチンから出た生ゴミをコンポストで堆肥化したものです。自然環境を守るためには、一人一人が暮らしの中で小さな循環の輪を作り出していくことが大切です。当アド・グルの参加者には、身近な野菜作りを楽しみつつ、環境保全に関するアクションを進めてもらえたらと思っています。

自然な農法を心掛けているため、作物には虫もつきます。昨年は恵比寿のファームで育てていた作物がネズミの食害に遭ってしまいました。しかしこれだけネズミが繁殖している背景には、渋谷駅周辺の再開発が関わっているのではないかとも言われています。食害そのものは残念なできごとでしたが、人工的な環境変化が自然に及ぼす影響について、みんなで考える機会にもなりました。

まだ新しいアド・グルですので、学生と一緒にいろいろな企画を立てていきたいと思います。5月には、恵比寿のファームで催された農作業イベントにみんなで参加し、ワイワイと盛り上がりました。また、先日構内の菜園でマイクロミニトマトの苗植えを行った時には、学生からブルーベリーなどの果実摘みも体験してみたいなどの希望が上がってきました。これからも学内での日常的な活動と学外での遠足的な活動を組み合わせつつ、みんなで楽しみながら農業と環境問題に向き合っていきたいと思っています。

シビックエンゲージメントセンターに勤務する佐藤先生
青山キャンパス内のミニ菜園。ルッコラやラディッシュなどが育つ

アーティスト思考とロック
【活動テーマ】同上

「東京レインボープライド2023」に参加

■ アドバイザー・グループ 担当教員から

地球社会共生学部 地球社会共生学科 教授
松永 エリック・匡史

TikTok「教えてエリック教授」、NewsPicks「エリック教授の超偏愛的な音楽ライナーノーツ」でおなじみのエリックゼミがアド・グルに進出します。直感・共感・官能のキーワードで、社会課題への取り組みから起業、ロック&ジャズ、アーティスト思考、コンサル就活までマルチに展開。とにかく自由に活動する、共感だらけのコミュニティーの仲間になりませんか?

異文化交流
【活動テーマ】日本語会話のレッスンを通したカンボジアとの交流

カンボジアの方々と、オンラインを通じて互いの言語や文化を学び合う

■ アドバイザー・グループ 担当教員から

シビックエンゲージメントセンター 助手
秋元 みどり

カンボジアの方との交流を目的に、オンラインを通じた日本語会話のレッスンを行っています(カンボジアで教育支援を行うNPOと連携)。教材づくりや実際のレッスンでのコミュニケーションを通して、日本語や日本文化をカンボジアの方々に知っていただくことを目指しています。カンボジアの伝統や習慣、クメール語にも触れるため、共に学び合える機会となっています。

心理リハビリテイション
【活動テーマ】障がい児・者に対する「臨床動作法」の適用および「動作訓練」の実施

夏期休業期間の8月、数日間にわたって行われる訓練合宿にて。集団療法の様子

■ アドバイザー・グループ 担当教員から

教育人間科学部 心理学科 教授
小俣 和義

障がい児・者に対し広く適用されている「臨床動作法(動作を通して心理的問題を改善する心理療法)」。ボランティア活動としてではなく、障がいがある子どもや大人に対して実際に臨床動作法を適用したり、起きる・立つ・歩くなどの「動作訓練」を実施したりする場となります。志の高い方のご参加をお待ちしております(コロナ禍の状況次第では、オンラインでの実施を想定)。

障がい、映画鑑賞
【活動テーマ】映画を通して障がいを考える

映画上映&監督トークイベント参加の様子。キャンパス内での鑑賞のほか、年に数回シアターへ出掛ける。

■ アドバイザー・グループ 担当教員から

シビックエンゲージメントセンター 助手
島﨑 由宇

障がいをテーマとした映画鑑賞を通して、作品に描かれている障がい者像や時代背景、当事者を取り巻く環境、込められたメッセージなどに着目しつつ、障がいについて共に考えていきます。鑑賞作品はメンバー間で相談し決めていく予定です。障がいにこだわらず、純粋に「映画が好き!」という方も大歓迎です!

カーリング、スポーツ
【活動テーマ】カーリング

「氷上のチェス」とも言われるカーリングは、数手先まで戦略を立てる頭脳やアイスリーディングなど、スキルが求められるスポーツ

■ アドバイザー・グループ 担当教員(代表)から

社会情報学部 社会情報学科 准教授
南部 和香

社会情報学部の教員5人(南部和香・石田博之・髙村正志・寺尾敦・吉田葵)がアドバイザーを務める、「カーリング」のアド・グルです。相模原キャンパスの近くにある「銀河アリーナ」内のリンクで練習を行ったり、カーリングについて語り合ったりしています。進め方についてはそのときの所属メンバー間で相談していく予定です。少しずつ、一緒に上達していきましょう!

スイーツ
【活動テーマ】スイーツ好き大集合!!

スイーツを囲んでみんなでご機嫌な記念撮影。今回は大人気「マーサービス」のシフォンケーキ!

■ アドバイザー・グループ 担当教員から

理工学部 電気電子工学科 教授
春山 純志

国内外問わず、あらゆるスイーツ好きが高じてこのアド・グルを主宰しています。2023年度前期は既に登録者数40人を超え、月2回ほどの開催で各有名スイーツ店から持ち寄った豪華スイーツをみんなでワイワイ試食し、少数グループに分かれて店にも繰り出しています。インスタグラム(インスタ)にもあげてフォロワー数を増やしています。後期はさらに外食も交えつつ有名スイーツを食べ尽くし、インスタフォロワー数を増やし、店とのコラボレーションも企画しています。学生時代の楽しい思い出の一つとして、気軽に登録・参加してみてください。

英会話、グローバル
【活動テーマ】グローバルな活動を楽しもう!

英会話喫茶や meet up イベント(外国人との英会話や language exchange)など、英会話や国際交流が行われるイベントに参加予定

■ アドバイザー・グループ 担当教員から

理工学部 電気電子工学科 教授
米山 淳

将来、海外で活躍できる国際感覚を養うことを主たる目的として、実用的な英語の勉強を行います。また、外国の文化や習慣を身に付けることも目指します。年齢が若いほど言葉は身に付きやすく、習得するには今が最高のチャンスです!(私は学生時代をアメリカ・ロサンゼルスで過ごし、5年前も研究活動のため1年間ロサンゼルスに滞在しています)