特集

進路・就職サポート
2023

最新情報を保護者の皆さまへ

本特集では就職活動の最新状況のほか、「個別相談」をはじめ本学における各種サービスの窓口情報などにも触れています。特に、2025年度卒業予定の学生の保護者の皆さまにおかれましては、就職活動に取り組む学生をサポートされる際の一助としてご活用ください。

就職活動の最新傾向

進路・就職センター 事務部長

平井 昇

青山学院大学文学部卒業後、学校法人青山学院に入職。学務部、総務部、人事部等を経て、2022年より現職。

まずは就職活動のトレンドからご紹介します。前年(2022年度)の結果を踏まえ、企業側と学生側の両方の観点からお伝えします。

■ 企業側の採用傾向

コロナ禍の影響を受け、2021年度までは企業の採用は縮小傾向にありましたが、2022年度からは復調傾向に転じています。特に本学学生にも人気の航空・観光業界やサービス業などがその中心です。また企業によるDX推進も新卒ニーズを押し上げています。大手企業では企業側に有利な「買い手市場」が続いているものの、中小企業は学生に有利な「売り手市場」となっています。全国規模では、来春2024年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.71倍となり、前年対比で0.13ポイント上昇しました。

求人総数および民間企業就職希望者数・求人倍率の推移
リクルートワークス研究所「ワークス大卒求人倍率調査」

選考形式としては、対面方式とオンライン方式の併用が定着しつつあります。また、選考の早期化と長期化が進んだことで、早めに就職活動を始めた学生とスロースタートの学生の二極化が見られます。さらに注目のトピックとしては、2025年度卒業生を対象とした「インターンシップの4類型化」があります。

■ 本学学生の活動傾向

本学における2022年度学部卒業生の就職率は95.1%となり、前年から2.1ポイント上昇しました。新型コロナの影響の残る厳しい状況下ではありましたが、学生たちは自らの適性や業界の状況を踏まえ、柔軟な姿勢で就職活動に取り組んでいました。

学生の安定志向はさらに強まり、大手企業や、世間的に知名度の高いBtoC※1企業に人気が偏る傾向が続いています。また学生の就業観としては、ハードワークを伴う「やりがい」に加え、自らの適性や労働条件(収入、福利厚生、残業時間 等)を軸とする傾向も見られます。
※1 BtoC:Business to Consumer の略称、企業対消費者取引

[2022年度 就職者 上位企業]

企業名
楽天グループ(株) 45
パーソルキャリア(株) 20
三井住友信託銀行(株) 19
(株)リクルート 17
(株)エヌ・ティ・ティ・データ 16
(株)日立システムズ 16
富士通(株) 16
NECソリューションイノベータ(株) 15
東京海上日動火災保険(株) 15
(株)みずほフィナンシャルグループ 15
日本生命保険相互会社 15
TIS(株) 14
(株)日立製作所 14
アクセンチュア(株) 13
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(株) 12
三井不動産リアルティ(株) 12
(株)横浜銀行 12
(株)りそなホールディングス 12
レバレジーズ(株) 12
企業名
エン・ジャパン(株) 11
ディップ(株) 11
トランス・コスモス(株) 11
日本電気(株) 11
みずほ証券(株) 11
ANAエアポートサービス(株) 10
SCSK(株) 10
(株)NTTドコモ 10
(株)大塚商会 10
JCOM(株) 10
(株)サイバーエージェント 9
(株)ジェーシービー 9
大和証券(株) 9
(株)ニトリ 9
(株)三井住友銀行 9
明治安田生命保険相互会社 9

本学の就職支援「3つの柱」

ここからは、本学の就職支援策を具体的にご紹介します。

【1】個別相談(対面・オンライン)

学生の困りごとに対し、職員とキャリアコンサルタント※2が、経験豊かなプロの視点から個別相談に当たっています。学生一人一人の個性や悩みに寄り添った「オーダーメイドのキャリア支援」を大切にしていますので、安心してご相談ください。
※2 青山キャンパス22人、相模原キャンパス12人(職員とキャリアコンサルタントの合計 / 2023年10月時点)

《相談例》
自分の「強み」や、自分に合った業界・企業が分からない。
隠れた優良企業を知りたい。
エントリーシートの添削や、模擬面接を行ってほしい。
活動に行き詰まっており、方針について相談したい。
そもそも、就職活動をどのように進めたらいいか分からない。

以上のように、どんな相談でも大歓迎です。「こんなことで相談していいのかな」とためらわず気軽にお越しください。特に漠然とした悩みを抱えている時こそ、個別相談が真価を発揮します。個別相談はリピート率も高く、年間14,400件の相談実績(2022年度)があります。予約が満席の場合もありますが、諦めず窓口に来ていただければ、何かしらのサポートはできるようにしています。職員が日々企業の採用担当者などと面談しており、現大学4年生に関する求人情報もあります。地方就職(UIJターン就職)希望の学生には、厚生労働省の地方人材還流促進事業「LO活プロジェクト」と連携し、障がいのある学生や外国人留学生に関しても、公的機関や学内の専門部署と連携して専門的な個別相談を行っています。

《予約窓口》
「Web Ash(進路就職支援システム)」、両キャンパスの各窓口※3
※3 進路・就職センター(青山キャンパス) / 進路・就職課(相模原キャンパス)

個別相談(対面・オンライン)

【2】情報提供

さまざまな媒体上で最新の就職活動情報を提供しています。

Web Ash:本学学生専用の進路・就職支援ポータルサイトです。各種情報が得られる他、「個別相談」などの予約、就職ガイダンスのアーカイブ動画の視聴もサイト上でできます。
『Ash青山学院大学就活ハンドブック』:大学3年生と大学院1年生に配布しています。
『キャリアデザインブック』:新入生向けのハンドブックです。
資料室:両キャンパスの各窓口内で企業情報などが閲覧できます。

SNSや口コミ、運営元の不確かな就職サイトによる情報は正確性に欠けるものも多く、時にはトラブルに巻き込まれる危険もあります。安全、確実な就職活動のためにも、学生にはぜひ本学が提供する正確かつ最新の情報を活用していただきたいと思います。

資料室

【3】就職支援イベント

年間を通じ、各学年に応じたさまざまなキャリア支援イベントを行っています。大学が主催しているイベントですから、安全に・無料で・正確な情報が得られるのは言うまでもなく、これらのイベントでは人気企業の担当者から直接話が聞けるチャンスも多くあります。一人では対策を取るのが難しいグループディスカッション・グループ面接の実践的な練習会の他、他大学との合同企画も好評です。なお過去のガイダンスなど、一部のイベントはCoursePowerやWeb Ash上でアーカイブ動画を視聴することもできます。


■ その他の就職支援策

以上の取り組みに加え、オンライン面接に役立つ防音ブースの設置、OB/OG訪問システム「ビズリーチ・キャンパス※4」の導入なども行っています。ビズリーチ・キャンパスを使えば、学生とOB/OGのやりとりはスマートフォン内のアプリで完結するため効率的に活動できます。登録者の身元も確かであるため、より安心・確実にOB/OG訪問ができるようになりました。この他にも本学校友会大学部会在校生就職支援委員会や体育会OBOG連合会等とも連携し、オール青山体制で学生のキャリア支援を行っています。
※4 株式会社ビズリーチが運営するネットワークサービス(2023年5月、大学として導入)

防音ブース

就職活動のポイント

この項では、いくつか就職活動のポイントをお伝えします。

■「インターンシップの4類型」を知る

2022年に、企業による学生のキャリア形成プログラム(いわゆる「インターンシップ」)が4タイプに類型化されました。タイプごとの違いを把握しておくことで効率的に就職活動を進めることができます。

タイプ1:オープンカンパニー
タイプ2:キャリア教育
タイプ3:汎用型能力・専門活用型インターンシップ
タイプ4:高度専門型インターンシップ(試行:大学院博士課程)

今回の類型化によって、学生は自分の目的に合わせてプログラムを選びやすくなりました。例えば、業界研究の入り口にしたり、社会の雰囲気に慣れたりするためには「タイプ1」や「タイプ2」を、本選考の一環として参加する場合は「タイプ3」もしくは「タイプ4」を選ぶといった使い分けができます。ただし、類型化の取り組みは始まって日が浅いため、企業によっては対応が追い付いていないケースも予想されます。エントリーの際には事前にプログラムの内容を確認することをお勧めします。

なお、タイプ3の「インターンシップ」は本選考より高倍率となることも珍しくありません。仮にインターンシップの選考に通過できなかったとしても、そこで諦めずしっかり準備をして本選考にもチャレンジしてください。


文化放送キャリアパートナーズ 就職情報研究所作成「変化する新卒採用と就職活動~保護者によるキャリア支援の必要性~」より(出典:本学 2023年度 保護者対象 進路・就職説明会 資料)

■「Webテスト対策」は早めに

コロナ禍以降、オンライン上で能力検査や適性検査を行う「Webテスト」が一般的になりました。非言語分野(数学)を不得手とする文系学生も多いのですが、対策を十分に行うことで、その後の選考の通過率が上がります。地道なWebテスト対策を避けずに、スピードと正答率をアップするようできるだけ早期から取り組むことをお勧めします。

■「隠れた優良企業」に目を向ける

社会との接点の薄い学生のうちは、どうしても大手企業やBtoC企業、華やかな業種に目が向きがちです。しかしながら、学生にはなじみの薄いBtoB※5企業や知名度の高くない企業の中にも優良企業は多数あります。自分にフィットした志望先を見つけ、納得感のある就職活動を進めるためにも、広く柔軟な視点を持ち、これらの「隠れた優良企業」に目を向けることをお勧めしています。これらの企業情報はWeb Ashや個別相談などで随時提供していますので、こまめにチェックしましょう。
※5 BtoB:Business to Business の略称、企業間取引

■「ガクチカ」の考え方

「ガクチカ」とは「学生時代に力を入れた活動」の略称であり、面接での定番の質問となっています。そのため、学生は時に、何か特別な成功経験をアピールしなければいけないと焦りを感じることもあるようです。しかし実際は、特殊な体験をことさらにアピールする必要はありません。むしろ大学で学んだことや日常的なチャレンジ、さまざまな失敗から立ち直った経験など小さなことでも自身の成長につながるような出来事が「ガクチカ」や「自己PR」として評価されます。特に本学の卒業生は、ものごとを柔軟に受け入れる姿勢や、自分の意見も持ちながら、相手の話にも耳を傾けて関係性を築き上げるというコミュニケーションスキルを備えていることが多く、企業からもその点が高く評価される傾向にあります。これらの能力は、大学生活やアルバイト、友人関係といった日常的な経験から徐々に培われるものです。ガクチカのための話題作りにとらわれ過ぎず、学生本来の目的意識と計画性を持って大学生活を過ごしましょう。きっとその経験が就職活動につながります。

保護者の皆さまへ

保護者世代に比べて、現在の就職活動は驚くほど複雑化・長期化しています。学生の就業観や優良企業の定義なども変化しているため、良かれと思ったアドバイスが学生の実態に即していないケースもあります。学生が保護者から受ける影響は大きく、それが度を超すと保護者の反対を受けて内定を辞退する「親ブロック」にまで発展してしまう場合もあると聞きます。ご家庭内では、志望先などに関する本人の判断をどうか尊重なさってください。日々温かく寄り添うことで、学生は本来の力を発揮します。

情報収集やエントリーシートの作成、面接練習など、昨今の就職活動は煩雑を極めており、学生が一人だけで取り組むには限界があります。こうした状況下で効率的に就職活動を進めるためには、さまざまなサポートを利用するのは当然のことです。毎年、多くの学生が両キャンパスの各窓口を利用して満足な内定を得ていますので、保護者の皆さまにおかれましては、ぜひ気軽にサポートを利用してみるよう、学生にお勧めいただければ幸いです。

*学部3年生、大学院1年生の保護者の皆さまへ既にお送りしております『2025年卒業予定学生 保護者のための就活ガイドブック』も併せてご活用ください。PDFファイルは本学ウェブサイト上からご覧いただけますので、1・2年生の保護者の方にもお勧めしております。

就職活動インタビュー(AGU LiFE)

*掲載されている人物の在籍年次や役職、活動内容等は、特記事項があるものを除き、原則取材時のものです。