情報メディアセンターで
活躍する学生たち
2024. 12.19
在学生スタッフが支える、本学の情報教育
情報メディアセンターは、青山学院大学および学院全体の情報環境インフラの企画・導入から管理運用、さらにICTを活用した大学教育またそのための調査・研究活動などを行っています。今回はこれら情報メディアセンターの活動のうち教育に関わる部分を支える「学生スタッフ」と「IT講習会アシスタント(以下、IT-A)」という情報メディアセンターの学生アルバイトの活動を紹介します。
情報メディアセンター担当教員に聞く
情報メディアセンターの情報学習支援で
多くの学生たちが活躍
情報メディアセンター助教
中村修也
情報メディアセンターにおける情報学習支援
私は大学院時代にICTの導入による効果的な教育・学習を実現すべく「教育工学」の研究に取り組んでいました。現在、その研究ノウハウを生かし、 情報メディアセンター所属教員としてICTを活用した授業の支援や情報基礎教育に関わる業務に携わっています。教員としては全学生必修の「情報スキルI」など情報基礎教育を担当するほか、「情報メディアセンター AIM Commons」を拠点とした学生に対する情報学習支援の担当も務めています。
情報メディアセンターには自学自習やグループ学習に適したスペースが学生に開放されており、開室時間内であれば自由に利用できます。また、学習目的であればノートPCやカメラなど撮影機材などの貸し出し、静音・動画編集などの作業ブースの貸し出しも行っています。
情報メディアセンターの運営と学習支援を担っているのが、在学生の学生スタッフです。そして前述の情報スキルIにおいて履修者の学習支援やスキルチェック(試験)の試験監督などを務めているのは在学生のIT-Aです。彼らは本学の情報学習支援になくてはならない存在であり、以下、その役割について簡単に紹介します。
情報メディアセンターで活躍する学生たち
現在、青山キャンパスに約30人、相模原キャンパスに約25人の「学生スタッフ」、また両キャンパスともに約50人の「IT-A」が活動しています。これらの学生たちは自ら志願して情報メディアセンターの学生アルバイトとして働いています。
◆ 自律的な組織運営を行う「学生スタッフ」
学生スタッフの主な業務は情報メディアセンターにおける総合受付からラウンジエリアの運用サポート、パソコンなどの機器貸出サービスとメンテナンスまで多岐にわたります。さらには、Adobeソフトの基本やWEB制作などの「ワークショップ」と呼ばれるミニ講習会を自ら講師となって開催している学生スタッフもいます。また、こうしたさまざまな役割を持つ学生スタッフ全体の人事やスケジューリングを担う学生もいます。必要があれば私たち教員も彼らの活動をサポートしていますが、基本的には学生たち自身が学生スタッフの組織運営を行っています。学生同士が自律的に学ぶ環境を創り上げ、先輩と後輩がともに学び合う――そこに、本学の情報基礎教育の大きな特色があるといえるでしょう。
◆ 自学自習の心強いサポーター「IT-A」
IT-Aは全新入生を対象とした情報スキルⅠの授業において、履修者の学習支援と「スキルチェック」と呼ばれる試験の監督などの業務を担当します。情報スキルIは全学必修であり、単位修得には 情報メディアセンターが開講する「IT講習会」を修了することが条件となっていますが、IT-AはIT講習会でパソコンやOfficeアプリの基本的な使い方の説明、学生個人がパソコン上で自主的に学習を進める課題では、履修者とともに考えるサポーターやコーチとしての役割を果たします。IT講習会にて使用する専用テキストも、IT-Aが加筆修正の支援をしています。毎年、履修者からの質問を反映しながら、「より青学生がわかりやすく、学びやすい」テキストを目標に改訂を重ねています。
情報メディアセンターを積極的に利用しましょう
このように情報メディアセンターでは学生スタッフやIT-Aが情報学習に関する幅広い学習支援を展開しています。2024年4月より青山キャンパスの情報メディアセンターはマクレイ記念館(図書館・情報メディアセンター)(以下、マクレイ記念館)の地下1階・1階にリニューアルオープンし、より開放的で快適な学習環境を提供しています。
相模原キャンパスではB棟4階情報メディアセンター AIM Commons (B422)、 IT講習会に関する学習支援(B421)に学生スタッフとIT-Aが駐在しています。学生の皆さんは積極的に 情報メディアセンターをご利用いただき、学生スタッフとIT-Aにご感想やご要望をお伝えください。そうした学生の皆さんの声が本学の情報環境や学習支援サービスのいっそうの向上につながります。
情報メディアセンターで働く学生アシスタントに聞く
学生スタッフ
自分のアイデアや提案をすぐに実行でき、
自由度が高くやりがいのある仕事です
学生スタッフ(青山キャンパス)
法学部 法学科 3年
原田 ひまり
私は中等部から青山学院で学んできました。10年近く実り多い日々を過ごさせていただいた青山学院に「なにか恩返しができないか?」と考えていた大学2年次に情報メディアセンターの学生スタッフの募集を知り、「これだ!」と感じて応募しました。
現在、私は青山キャンパス18号館1階の情報メディアセンターで総合受付のスタッフとして週3回・7時間ほど働いています。この業務は2024年4月に開館した「マクレイ記念館」内の案内や学生・教員からのICT関連の相談に対応する業務で、そのほかにもパソコンやブース貸出など各種サービスの提供や保守運用などにも関わっています。
今年はこれらの業務を担う部署のチーフとして、スタッフの研修・指導や業務効率化を推進しながら、マクレイ記念館への移転業務にも携わり、私たちが来館者へ提供するサービスの質の向上と円滑なスタッフ運営についても努力してきました。個人的には相談や案内を必要とする学生に対し、同じ学生同士としてのコミュニケーションを通して親しみやすい雰囲気づくりを心がけてきました。
学生スタッフは組織運営も学生主体のため、担当の業務に対する個人の裁量の大きさが特色です。学生自ら考案した館内案内システムの構築など、私たちのアイデアや提案をスムーズかつスピーディーに実行に移すことができ、具体的な成果を実感しやすい環境にあることが何よりの魅力だと思います。
今後はチーフとして後輩スタッフの育成や研修に力を入れ、彼らが成長できる環境づくりと、学生スタッフ組織全体の発展にも寄与していきたいと思っています。
採用・人事やシフト管理など
学生スタッフの組織運営を担当
学生スタッフ(青山キャンパス)
総合文化政策学部 総合文化政策学科 3年
加藤 真桜
学生スタッフの仕事は所属する総合文化政策学部の先輩から教えていただきました。サークルに所属していなかった私は、せっかく総合大学で学んでいるのだから学部や学年が異なる青学生と関わることができるコミュニティに入りたいと思っていたので、ふさわしいアルバイトだと思いました。また、私は当時2時間半かけて実家から通学していたので、授業間の空きコマ時間を有効活用できる点も魅力でした。
私は、学生スタッフを取りまとめるマネージャーのような役割をしています。主にスタッフのシフト作成と各担当の業務管理、また私たちと一緒に働いてくれる学生の採用活動の補助を担当しています。
この仕事でもっとも重要なのはスタッフが働きやすい環境づくりです。シフト作成業務は「速く、正確に」行えるようマネージャー間の連絡を密に取り合い、スタッフ全員の働き方に及ぶ決断の際には、中村先生にアドバイスをいただくようにしています。
学生という立場でマネージャー・人事に近しい仕事に関わることができる機会は珍しいと思いますので、シフト作成、採用面接担当者などすべての仕事にやりがいを感じています。自分が面接を担当して採用した方が、学生スタッフとして楽しそうに働いている姿を見たときが何よりの幸せです。学生スタッフとして働くようになって、私は自分が以前より人の気持ちに寄り添える人間になれたように思います。
現在、私は就職活動で逆に面接を受ける立場なのですが、学生スタッフの話題を出すと、面接担当者の方々に興味を持っていただいているように感じます。改めて、学生スタッフを経験することができて良かったと思いました。
教育実習の経験を生かしつつ
満足度の高いワークショップを実践
学生スタッフ(青山キャンパス)
教育人間科学部 教育学科 4年
縄野 佑匡
私は教育人間科学部教育学科で学びながら、サークルでプログラミングの勉強を続けてきました。やがて学ぶ(インプット)だけではなく、教える(アウトプット)ことを通して自らの情報スキルをよりいっそう向上させたいと考えるようになったところ、タイミング良く学生スタッフ募集の告知を目にしました。教職課程を取得している私は放課後にアルバイトの時間を確保することは難しかったので、学内で授業間の空きコマを利用して働くことができる学生スタッフはとても魅力的でした。
私は自分のプログラミングスキルを生かせるワークショップ担当をしており、昨年は部門のチーフを務めました。ワークショップでは情報メディアセンターで貸出を行っている機器の使い方をはじめ、Photoshop・Illustrator等のAdobe製品の講座、私が担当するWebデザイン講座などがあり、本学学生や教職員でしたら無料でほとんどの講習を受講することできます。いずれも学生スタッフが講座内容を考え、自ら講師も担当しています。
私は教育実習の経験も生かして、受講者の方の理解度や進捗に合わせて、内容や説明方法を常に最適になるように変えていくなど、受講した方がより満足してもらえるような講座づくりを意識してきました。講座修了後のアンケートで満足度が高かったり、「分かりやすかった」や「ありがとう」という言葉をいただけたりすると心からの喜びを覚えます。
ワークショップ担当としては、受講者の方にスキルを身に付けていただくことが一番の目標です。初心者でも気軽に学べるように要点を整理しつつ、実践的なことも学べるような講座を目指しています。ワークショップ担当の学生は互いの担当している講座を受け合い、その感想をフィードバックすることで講座の質を高め合うように努力してきました。
今後は講師育成に注力し、受講者だけではなくメンバーにも「教える」を実践し、講師の質や講座の質を上げていきたいと思っています。
IT-A
パソコンに苦手意識があった私だからこそ、教えられることがあると思っています
IT-A(青山キャンパス)
法学部 法学科 3年
土肥 花恋
1年次に、私はパソコンを操作することに苦手意識があり、IT講習会に足を運ぶことさえためらう気持ちがありました。しかし、いざIT講習会で受講してみると、わからないところがあればIT-Aの方が丁寧に教えてくれました。そのおかげもあり、課題を理解し、スムーズにIT講習会を修了することができました。その時に「自分も自信をもってパソコンの操作を教えられるようになりたい!」と思ったことがIT-Aになるきっかけでした。
受講生のサポートに対しては「答え」だけを教えるのではなく、考え方や解き方を確認しながら教えることを心がけています。スキルチェックでは応用問題なども出題されており、基本的な問題の暗記だけでは通用しません。解き方をどれだけ理解しているかが問われているからです。
また私は受講生と同じ目線に立って教えることを意識しています。当初、私はパソコンの操作が苦手だったため、受講生の方々がつまずきやすい問題などを解説するときは過去の自分はどこが理解できていなかったのか、どのように理解できるようになったのかを思い出しながら教えています。学期末は利用者が増え、慌ただしくなりますが、受講生の皆さんが「理解できた!」と思ってくださるときも多く、とてもやりがいを感じます。またIT-Aの仕事を通して自分自身のパソコンスキルも向上し、授業で使用するプレゼン資料やレポートの質も向上しました。また、「教える」ことを通して人に何かを伝える能力も身に付きました。
単に解答を教えるのではなく、
それを導き出すプロセスを伝えます
IT-A(相模原キャンパス)
理工学研究科 理工学専攻 マネジメントテクノロジーコース 1年
目黒 心
私は高校時代からパソコン操作を習得するなどIT分野に興味があり、本学の先進的な情報教育プログラムに魅力を感じています。IT-Aになろうと思ったのは自分もその一翼を担いたいと考えたためでした。学部2年次からIT-Aとしての活動をスタートし、大学院生になった今も活動を続けています。
IT-Aとして受講生の質問対応を行う際、私は相手が抱えている疑問点を明確化することを心掛けています。IT-Aの役割は、単に問題の答えを教えるのではなく、それを導き出すプロセスを理解してもらうことが大切だと考えています。そのため一人ひとりの理解度や目標に合わせて適切なアドバイスを行う必要があり、私は受講生からの質問を受けた際には、まず粘り強く相手の状況の聞き取り、理解できている点と、まだ理解できていない点を可能な限り明確化しています。そして、その上で的確なアドバイスを行うように意識しています。相手に解答を伝えることは容易ですが、それぞれの課題に向き合うことによって、相手の疑問点をスムーズに解消でき、学びも深まると感じています。質問をしてくれた受講生が、わからなかった問題を解けるようになった姿を見ると、自分のアドバイスが正しかったという喜びとともに、強いやりがいを感じます。
こうしたIT-Aとして教える業務を通して、自分自身にとっては相手の状況を正確に把握する力や言語による情報伝達力など、将来ビジネスの現場で重要となる、広い意味でのコミュニケーション能力が培われていると感じています。
IT-Aはやりがいが大きく、しかも自分の成長を促してくれる素晴らしい仕事です。これからIT-Aになろうと考えている皆さんには、ぜひ全力で取り組んでほしいですし、同時に自分自身のスキルを高める機会として生かしていただきたいです。
IT-Aとして活躍する学生たち