AGU NEWS 特集

青学女子バレー
秋季リーグ戦優勝 &
全日本インカレ準優勝!
2025 1.16

2024年度 青学女子バレーの激闘を支えたメンバーを迎えて

本学バレーボール部(女子)は2024年9~10月の「2024年度秋季関東大学女子1部バレーボールリーグ戦(以下、秋季リーグ戦)」で11年ぶりに優勝。続く11~12月の「第71回秩父宮妃賜杯全日本大学女子選手権大会(以下、全日本インカレ)」では準優勝という結果を残しました。

本特集では、キャプテンの谷島花虹さんと選手のためのデータ分析に尽力したアナリストの渡邉百香さんに、青学での4年間とリアルな戦いの軌跡を語り合ってもらいました。
さらに選手であり主務(マネージャー)としてもチームを支えた鉾久香凜さんと、その鉾久さんの憧れの存在だという秋山美幸監督に、青学女子バレーのスタイルと強さの秘密について伺いました。

私たちの戦い方PART 1:キャプテン × アナリスト対談

コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間科学科 4年
バレーボール部(女子)アナリスト / ライト
渡邉 百香(わたなべ ももか)写真左 埼玉・私立昌平高等学校出身
両親の影響で子どもの頃からバレーボールに親しむ。中学生から部活動で本格的にバレーボールに取り組み、大学進学時には「大学日本一を目指したくて」指定校推薦で青学へ進学。1年次から選手として練習を続けながら、試合のデータを分析するアナリストとしてもチームに貢献。今年の秋季リーグ戦優勝でも重要な役割を果たした。卒業後は航空関連の仕事に就くことが決まっている。

経営学部 経営学科 4年
バレーボール部(女子)キャプテン / センター
谷島 花虹(やじま かこ)写真右 東京・私立下北沢成徳高等学校出身
茨城県出身。早くからバレーボールの才能を認められ、高校では東京の強豪校に入学し、2年の時に国体強化選手に選ばれた。強豪大学の体育学部などからも誘われるが「一般の学生とともにスポーツ以外も学ぶ経験がしたい」と青学に入学。4年次の2024年度はキャプテンとしてチームをまとめ、秋季リーグ戦で最優秀選手賞、全日本インカレでは敢闘選手賞を受賞した。渡邉さん同様航空関連の仕事に就くことが決まっている。卒業後もバレーボールと関わっていきたいと思っている。

■なぜ私たちは青学でバレーボールがやりたかったのか?

谷島 2024年度はキャプテンを務めさせていただき、秋季リーグ戦では優勝を勝ち取ることができました。その際、大きな力になってくれたのがアナリストとして対戦相手のデータ収集とその活用に試行錯誤してくれた渡邉さんです。この4年間、毎日たくさんおしゃべりしてきたけど、そういえばお互いに「なぜ青学でバレーをやっているか」という話をしたことなかったよね?

渡邉 確かに! 谷島さんは高校時代から全国大会で活躍していたから、他の強豪大学からもお誘いがあったのでは?

谷島 ありました。でも青学が良かった! 私は中学生まで茨城県にいて、バレーボールが強い高校に誘われ東京で寮生活を送っていました。大学でもバレーボールを続けるつもりでしたが、同時にスポーツ一本ではなく学生としてしっかり勉強できる環境も求めていました。高校の先輩が青学に進学していたので、部活動や学部の話を聞き、キャンパスまで見学にも行きました。そのときに監督ともお話ができて、「ここで勉強と部活動を4年間頑張ろう!」とはっきりイメージできたことが青学への入学を決めた理由です。家族が地元で小さい会社を経営しているので、将来、実家の役に立つことを学べればと思い経営学部を選びました。また、英語など語学のカリキュラムが充実していることにも魅力を感じていました。

谷島キャプテン

渡邉 私の場合、高校ではレギュラーとして活躍できず、最後の試合が終わったとき「ここで辞めたくない!」と思って、大学でも競技を続けようと決めました。それもサークルとかではなくて、高い目標に向かって頑張ることができる強豪大学で真剣にバレーボールと向き合いたいと考えていました。実は高校進学の際に地元埼玉県の強豪高校に行きたいという気持ちがあったのですが、当時は自分に自信がなく諦めてしまい、とても後悔した経験がありました。大学ではぜったい同じような後悔をしたくなかったので、自分の実力よりレベルが高いことは分かっていましたが、青学に挑戦したいと思ったのです。そこで監督と担任の先生と相談をして、指定校推薦での進学を目指すことにしたのですが、半分「おそらくダメだろうな……」という諦めの気持ちもありました。だから合格の知らせをいただいたときは本当に信じられない気持ちでした。

谷島 4年間付き合ってきたのに、初めて聴く話ばかりで結構びっくりしています!

渡邉 普段、こういう話はしないもんね(笑)。私の場合は選手としての実績ではなく、高校の成績を含めた評価で合格できたと思うのですが、英検2級に合格していたことが良かったのかもしれません。英語は幼稚園の頃から習っていてずっと好きだったんですよ。青学を選んだのもバレーだけでなく、英語も高いレベルで学べると思ったからです。

渡邉アナリスト

■青学バレーの強さを担うアナリストという仕事

谷島 渡邉さんは学部の勉強と部活動をしっかり両立させていて、同級生だけどずっとスゴいなと思っていました。

渡邉 学業との両立は部活動を続けるためにも大切だと思っていましたから。でも入学当初は谷島さんを含めて強豪高校出身の他の部員の技術レベルの高さを目の当たりにして圧倒されて……。入部するときに生瀬総監督から「4年間辞めないのなら歓迎するよ」と言われた言葉を胸に頑張ってきました。実際、辞めたいと思ったことは一度もありません。

谷島 私は「青学で4年間バレーを頑張るぞ!」と期待感いっぱいで入学したのですが、直後に練習中にケガをしてしまい、いきなりつらい思いを経験しました。でも、そのケガがあったからこそ、その後はトレーナーさんの力を借りてケガをしにくい体づくりに成功したと思います。渡邉さんは1年次からアナリストの仕事をしていましたよね。

渡邉 そうですね、最初は4年の先輩に教わりながら試合データを記録していました。2年の時に「果たしてアナリストの役割は試合のデータを取るだけでいいのだろうか?」と思い始め、3年次からは部員のみんなが試合で「使える」データを提供しようと試行錯誤を始めました。自分一人では分からないことが多いので、秋山監督に紹介していただいたNECレッドロケッツ川崎のアナリストに教えを乞い、ライバル大学のアナリストからも話を聞いて参考にしました。

全日本インカレの表彰式終了後。監督と4年生の記念写真
前列左からエドックポロかれん選手、秋山監督、生瀬総監督、谷島花虹キャプテン、小原凜乃選手。後列左から高橋美鈴副キャプテン、鉾久香凜主務、渡邉百香アナリスト

谷島 その努力は選手みんなが分かっていますよ。渡邉さんの言う通り決定率やスパイクのコース、さらにトス回しやローテーションに関する「使える」データがどんどん増えてきましたから。プレーヤーとしても渡邉さんの努力の結晶を試合に生かすため何度も話し合いをしました。私自身は対戦相手だけではなく、自分のデータも本格的に見るようになり、弱点を攻められた際などの対策が取れたことは大きかったです。

渡邉 みんながデータを使って勝ち抜いて秋季リーグ戦優勝を果たしてくれたことは本当にうれしかったし、やっと結果につながるデータづくりができたという安堵感がありました。そしてコートの中で一緒に戦っている選手との絆を感じることもできました。

谷島 ただ、全日本インカレで優勝できなかったのは悔しかったですね。決勝戦は、絶対落としてはいけない試合であったとキャプテンとして反省しています。

谷島 私たちは当たり前のように渡邉さんのデータに頼っているけど、そもそもアナリストになったのはどういうきっかけでしたっけ?

渡邉 1年次に先輩から「アナリストをやってくれない?」とお願いされたことがきっかけです。自分の技術のことは十分承知していたけれど、やはり選手としてチームに貢献できない悔しさを感じていました。でも「アナリスト」という仕事を通してチームの勝利に貢献できると気付いてからは、この仕事に魅力を感じるようになりました。みんなのために必要なデータをできる限り集めて、それを分かりやすく伝えるということに、やりがいを覚えるようになったんです。

谷島 渡邉さんとはずっと一緒に練習してきましたし、アナリストとしての努力、さらに学部の学びとの両立などを見てきたので感謝の気持ちしかありません。今の女子バレー部には絶対に欠かせない人だと思う。

渡邉 ありがとう! データそのものも大切ですけど、私がアナリストとして心がけていたのは、選手一人一人が活用できるような「伝え方」です。実際にはそちらの方が難しい。ただ数字やグラフを見せるだけでは不十分で、相手がそのデータをどのように活用できるかを分かりやすい言葉で伝え、納得してもらってこそデータ活用の意味があるのだと思っています。

谷島 そう、渡邉さんは選手一人一人の個性や特徴をしっかり把握した上で、データを伝えるという彼女にしかできないチーム内ポジションを確立した――そんなふうに思っています。

渡邉 データを集めて分析し、それを言葉で伝えるといった一連のプロセスは、学部の研究とほとんど同じでした。なので、授業で使用するプレゼンテーション資料の作り方や発表時の言葉の選び方などは、アナリストの経験を随分活用させてもらいました。

全日本インカレで敢闘選手賞を受賞した谷島キャプテン

■バレーが全てだった――青学で4年間を過ごし、バレーなしでも胸を張って生きていける自分に気付いた

谷島 私もキャプテンとして言葉で思いを伝えることの難しさと大切さを実感した1年でした。渡邉さんは知っていると思うけど、私はマイナス思考の人間なので、自分ではとてもキャプテン向きだとは思っていませんでした。ところが秋山監督から「次のキャプテンはあなたにやってもらいたい」と打診があり……。自分にその役割が果たせるのだろうかという不安はありましたけど、監督の気持ちに応えたかったので、キャプテンという役割を引き受けることでマイナス思考の自分を変えていこうと覚悟を決めました。それから私は、確実に変わったと思います。選手として技術面での向上だけではない、メンタルの強さや柔軟性、さらに大きく言えば人間として成長ができたという実感があります。

渡邉 うん、うん、私もそう思う。

谷島 良かった(笑)。就職してもさまざまな形でバレーボールと関わっていきたいと思っていますが、いつか競技を引退する日が来ても、大学4年間の学部と部活の両立経験で、コートの外でも自分自身として生きていく自信を得ることができました。青学に入るまでは「私からバレーを取ったら何も残らない」と思っていましたが、今は「私にバレーがなくても胸を張って生きていける」と思うようになれたのが、一番の成長だと思っています。また、英語を学ぶことが好きになり、世界に目を向けるようになったことも就職先に航空関連の仕事を選んだ理由の一つになりました。青学を選んで本当に良かったです。

渡邉 私も自分のバレーボール人生を青学で悔いなく終わらせることができて心から幸せです。アナリストとしてパソコンスキルやコミュニケーション能力、行動力なども身につけることができましたので、自信を持って社会へと羽ばたきたいと思います。

私たちの戦い方PART 2:監督 × マネージャー対談

バレーボール部(女子)監督 秋山 美幸(あきやま みゆき)写真左 2007年文学部史学科卒業。現役時代のポジションはセッター。4年次にはキャプテンとして大学5冠を達成し、第5回東アジア地区バレーボール選手権大会でも活躍した。卒業後、Vプレミアリーグ「NECレッドロケッツ川崎」に入部。2014/15シーズンは主将としてチームを10シーズンぶりに優勝へ導く。2015年の現役引退後、母校のコーチに就任し、2017年より監督。(現役時代の記事へリンク)

法学部 法学科 4年
バレーボール部(女子)主務 / セッター
鉾久 香凜(むく かりん)写真右 兵庫県立氷上高等学校出身
高校時代から全国大会に出場。「大学でも全国レベルで戦って日本一を獲りたい」という強い思いと「文武両道」の大学生活を志向して青学でバレーボールを続けることを決心。2024年度は秋山監督と谷島キャプテンを主務として支え、天皇杯・皇后杯(全日本大学選手権)にはセッターとしても出場した。卒業後は就職先の企業で実業団バレーを続ける予定。

■全員でブレずに「大学日本一」を目指す!

鉾久 私が秋山監督から主務に指名されたのは、昨年の全日本インカレ前でした。「なぜ私なんだろう?」と驚いたのですが、今日はその理由を直接監督に聞けるチャンスだと思って来ました。

秋山 私だけでなく生瀬総監督とも相談して決めたんだけど、簡単に言えば、鉾久さんの「まじめさ」「素直さ」、そして「愛嬌」があるところが理由かな。

鉾久 ええ~、そんな理由ですか!?(笑)。最初は自分に主務の仕事が務まるのか不安もあったのですが、次第にやりがいと言いますか、選手をやっているだけでは見えてこない「光景」が見えてきました。

秋山 具体的にはどういうこと?

鉾久 チームを支えてくださっている方々の存在をより強く感じるようになったことです。青学の卒業生をはじめとする応援してくれる方々と接することが多いので、自分たちはそうした方々の期待を背負って戦っているということが実感として分かってきたのです。日々、私たちが心置きなく練習に打ち込めるのもそうした方々のおかげです。

秋山監督

秋山 それはとても大切なことで、やはり鉾久さんを選んで良かった! 主務になった最初の頃は卒業生の方々との連絡などで苦労していたようだけど、どんどん成長していく姿を頼もしく見ていました。

鉾久 ありがとうございます。主務の仕事がチームにとってなくてはならないポジションだという責任感も生まれてきました。だからこそやりがいを感じます。私は高校時代に全国大会出場を経験し、大学進学に当たっても「全国で戦えるチームに入って、日本一を獲りたい!」という気持ちでいました。そして、実はこの4年間、同じセッターのポジションで活躍された秋山監督に憧れていました。

秋山 うれしい! 高校と大学でバレーボールに向き合う姿勢は変わった?

鉾久 はい、競技に向き合う考え方が自分でも驚くほど変化しました。自分自身の技術向上に関してはがむしゃらに練習するだけではなく、クセや弱点を見極めてどこをどうやって伸ばすのかをしっかり考えた練習メニューに取り組むようになりました。一方で仲間との連係についてもより緻密に考えるようになったと思います。試合に臨む際にはコートの中の6人が1点を取るためにどのようにボールをつなぐかを徹底して詰めて考えますから。

鉾久主務

秋山 私からも鉾久さんに監督としてどう見えているのか、聞いていい?

鉾久 ご本人を前にして照れるのですが……。青学が大学5冠を達成したときのキャプテンで、VプレミアリーグのNECレッドロケッツ川崎でも優勝された輝かしいキャリアをお持ちの大先輩なので、選手としてずっと目標にしていた存在でした。もちろん監督としても、私だけではなくみんなが頼りにしています。「大学日本一」という高い目標に対して何をするべきか、時には厳しい言葉を掛けることもあるけれど、監督の思いと愛情は選手一人一人にしっかり響いていると思います。

秋山 良かった! 監督就任以来、あくまでもチームの自主性を重んじ、選手たち自身が考え行動する環境をつくってきました。ただし部員全員に「日本一」 という高い目標に対して常に本気で取り組んでほしいと思っています。そのためには監督である私自身がその目標に対して絶対にブレてはいけないという気持ちから、しばしば強い言葉が出ることもありましたね。

鉾久 はい、監督の気持ちはみんな十分わかっていました。愛ある厳しさだと。

全日本インカレでも飛躍した選手たちを称える秋山監督

■「粘って、粘って、つなぐ」青学バレーの強さ

鉾久 2024年度、私たちは春のリーグ戦、そして6月の東日本大学選手権でどちらも勝ち切ることができませんでした。東日本への遠征時に宿泊先で選手みんなが話し合う時間を持ち、「チームの団結力を高める」「全員で点を取りにいく意識を持つ」ことなどを課題としていこうと決めました。東日本では戦いながらチームとしてまとまっていく実感があったのですが、決勝戦で日本体育大学に0-3で負けてしまい、とても悔しい終わり方をしました。秋のリーグ戦では、その悔しさをバネにいっそう団結力を高め、ボールを拾って次につなげていく意識を全員が共有できていたと思いました。監督から見ていかがでしたか?

秋山 そう、鉾久さんの言う通り、試合を重ねるにつれてボールを拾ってからの状況判断の面では確実に成長していました。一つ一つのプレーが単発で終わらず、ボールをつなぐ選手全員が「チャンスがあれば自分が点を取る!」という強い気持ちで戦っていましたね。そこにはアナリストの渡邉さんがレクチャーしてくれた相手校の選手データが重要な役割を果たしていましたし、試合に出ない選手たちも相手のプレーを想定した練習のパートナーとして活躍してくれました。まさに全員で勝ち取った優勝だったと思います。

鉾久 私もそう思いました。自主練習などでも一人一人が相手チームや自分のプレーに関するデータを頭の中に入れて、トスやコンビネーションの練習を繰り返し、精度の高いプレーを追求していました。それが試合で見事に生かされ、パワーやスパイカー頼りにならない全員で点を取りにいくバレーを実践できたと思います。

秋山 自分たちのいいところを100%出すことができれば勝てる。私はそう信じていましたよ。リーグ戦で優勝できなかった11年間の卒業生たちの思いが見事カタチになったシーズンになったと思います。青学バレーの伝統的なスタイルは「粘って、粘って、つなぐ」ディフェンスの強さ。2024年度のチームもそれは変わらないのですが、全員が「日本一」を目指す強い思いとボールをつなぐ意識で秋季リーグ戦優勝を飾ることができました。

鉾久 リーグ戦後半から、チーム内で話し合ってコンビネーション練習のやり方を変え、試合の中で使えるコンビネーションや得点パターンを増やしたのですが、それがうまくいって、秋季リーグ戦で優勝できたことは素直にうれしかったです。でも、一体感や信頼関係もより強固になって、選手みんなが「日本一」になることしか考えていなかった全日本インカレで優勝できなかった、準優勝だったところに自分たちの弱みが表れていましたし、悔しさも残りました。

秋山 悔しさをしっかり受け止めることも大切。社会に出てからも、全日本インカレ準優勝の悔しさをバネに、さらに成長してほしいです。

■人と人をつなぐ、人柄が表れるバレーボールの面白さ

秋山 バレーボールは「みんなでボールをつなぐ」競技です。ボールを落としたらそこで負け。だからみんなで必死に拾って、次につなげる。チームとしての一体感は何より大切ですし、最後は「勝ちたい」という思いの総量が大きいチームが勝利を手にします。青学女子バレーボール部も私が学生時代から、そうしたチームとしての一体感と思いの強さで勝ってきました。相手チームからは「青学のしつこい粘りとボールのつなぎが苦手」とよく言われましたね。

鉾久 すごくよく分かります。選手は高校までのバックグラウンドがみんな違うので、大学入学時はまだ一体感を感じられないのですが、「優勝」や「大学日本一」という目標を共有することでチームとしてまとまっていく……。今シーズンは主務として、また4年間は選手の一人として、「粘って、粘って、つなぐ」バレーの面白さを感じてきました。

秋山 私の大学時代は、今の選手よりもっと個性的で、我の強い選手ばかりでした(笑)。そんなバラバラな個性でも同じ目標を共有することで、一体感が生まれ、チームとして強くなっていく。それがバレーボールをはじめとするチームスポーツの面白さだと私は思っています。バラバラだからまとまらないのではなく、多様な個性が一つにまとまることで強さが生まれてくるのです。みんなで悔しがって、みんなで強くなる。それぞれの強みや弱みを理解し合って、チーム全員で点を取る。ブレずに高い目標に向かって最後まで戦い抜く。それが青学女子バレーボールのスタイルじゃないかな?

鉾久 本当にそうです。仲間や監督、スタッフと一緒になって戦う実感が持てるこのチームが大好きです。バレーボールの技術や戦術だけではなく、これから人間として自分がどのように生きていけばいいのかも学ぶことができたと思っています。

秋山 バレーボールってプレーに「人柄」が表れるスポーツです。試合では毎回勝利を目指しますが、ただ勝つことができればいいわけでもない。コート内の6人が仲間のために自分は頑張ることができたかどうかで勝利の価値は全く異なってきます。鉾久さんはもうすぐ卒業してしまうけれど、今シーズンのチームを主務として支えてきたことはもちろん、青学女子バレーボール部の良き伝統をしっかり後輩に伝えてくれたことに感謝しています。

鉾久 私こそ憧れの秋山監督の下で4年間楽しく、充実した学生生活を送ることができてありがたく思っています。卒業してしまうのは悲しいけれど、監督と仲間、そしていつも私たちを応援していただいた卒業生の方々から学んだことを生かして、社会人になってからも頑張ります!